庭：温泉の裏側では…？

ま、ちょっちセッションでやると多くなっちまいそうなので。

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「アイツも上から連れ回されて災難だよなあ」
ハンスは巡回しながら一人呟く。
「ま、それも勇者サマの特権、ってことかね」
カツン、と石が音を立てて転がる。
蹴った石の先に在るものが目に入り、彼の足が止まった。
「風神像か……。ここいらの騒動でまた随分ボロッちくなったな。羽なんかもう、むしれてるみてえじゃねえか」
「……にしても、だ」
彼は首をかしげる。
「何であの女はこの像を見てたんだ？」
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「ガントレット、何故魔王があのような作戦を許可したのか答えろ」
「私に聞くな。……あの方に直接聞けば良かろう」
「フン、1ミリたりとも口を開かん。……この２０年と言うもの、あの娘は何も言わん」
「あたしも、いい加減どうして魔王が作戦許可したのか気になるから言って欲しいもんだねえ」
「あの方が答えないのなら、私は答える気は無い」
「……同胞がどれだけ命を落としたと思っている。俺が、そんな答えで納得できるとでも思っているのか？」
「……まーまー。こんのバカが一度決めたら動かない頑固者だって事はわかってんでしょ。凄んだって意味無いさね。……とは言っても、ガント。同胞を駒の様に扱う行為には、あたしにも同意しかねるねぇ」
「……ふん。何とでも言うがいい」
「あっ、おいどこに行く気だい」
「……少し、遣り残した事がある」
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「やーエイス。……何か用？眩しいから視界から消えてくれるとうれしーなー。ファンガスがしなびる」
「ふざけている場合か？アークディア様にお前がやっている事がばれたんだ。もう少し反省したそぶりぐらい見せたらどうなんだ。私が視界から消える前に消されるぞ」
「なーんだそんなことー？まーったく問題にならないよー。アークディア様はねー、面白ければ何でもアリなんだからー、こんなことで目くじら立てたりしないよー。むぐむぐ」
「……はー、お前と話していると頭痛がしてくる」
「しーんぱいしてくれなくてもー、だいじょーぶだよー。たかがリフィスちゃんの魂の場所を隠したぐらいでー、私が消されるならー、とっくにリオちゃんなんか殺されてるってーの。むぐむぐ」
「……だが、万が一って事もあるだろう？」
「うくく…。問題ないよぅ。闇と光は一緒だからねー。私か死んだらエイスも消されるしー、そしたら他のみんなとのバランスも一気に崩れちゃうしねー。あーりえーないってー。むぐむぐ」
「……はぁ。わかったよメデイエ。わかったから目の前でファンガスのキノコをムシって食うのはやめろ。行儀が悪い」
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「ねえ、アーク。今更僕にキャラクターデータ作るとか汚くない？」
………。
「何の都合だよ、全く。語り手を物語に巻き込むかい？普通」
………。
「でもいいさ。面白そうだからね。……ただ一つか二つぐらいは、僕の好きなようにやらせもらうよ」
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地の国のとある会話。
「……将軍が人質に取られてから随分経ったな」
「切り捨てれば、外交も非常に楽になるでしょうな」
「……心にも無い事を。あれだけ信頼の厚い方を見捨てれば国の恥だ」
「そうだな。……何か、きっかけがあれば良いのだが」
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「アーケラ、お前は今何を見ているんだ」
「………」
「風の国を失い、闇に家族を奪われ、果ては自分自身を壊されて。何故、未だにお前は闇の国に仕えている？」
長い髪の女は、ｹﾗｹﾗと笑うだけ。
包帯の下に隠された表情は、ガルフには読み取れない。
「俺は希望を信じて生きてきた。それは風のためだ。……お前が邪魔をするのなら、俺はお前を殺さなければならない。かつての同胞だとしても」
顔に三日月を浮かべ、女は笑い続けた。彼の言葉は、彼女には届かない。
それが、彼女の物語であるから。
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