闇の国で魔族との共闘し、ミーネ女王の頼みも達成した。
これで人間同士の争いは無くなったと言っていいんじゃないかな。
とりあえず、戦争回避、おめでとう。
キミたちしだいでは、魔族とも話が通じる希望もあるんじゃないかな?
……でもさ。
素直に物語に従った方が良いんじゃないかって、思ったりはしない?
戦争によって闇王を倒し、屈服させた方が、もっと早く闇の国に平穏が訪れたかもしれない。
勘違いしないで欲しいんだけど、もちろんその戦争で流れる血を阻止したことは、ボクは評価するよ。
ま、アークのやってる事は等価の幸福を与えるって事の再確認程度さ。
キミ達が思うようにやってくれることは、ボクにとっては面白いからいいけど。
あとさ、魔族との戦争は避けられない。
彼女が何を考えて魔王なんてやってるのか、それを知ったとしてもね。
それに、魔族は人の罪や欲から生まれたもの。
親の罪は、子が贖う。
それがこの世界の根幹。
だから魔族は、人の手によって、何度でも滅ぼされなきゃいけないんだ。
それが、人が前を見るための唯一の方法なんだから。
この世界で、縛られない君たちがこれをどう思うかはわからない。
でも、知らないでいた方が良い事だってあるはずじゃないの?
未来を、可能性なんかを、望むのは間違いで。
過去を、正当性なんかを、望むのも間違いだ。
あけてはいけない箱は、確かにあるんだから。
人が、幸福を望むのならね。
さて、個人的なおしゃべりはここまでにしようか。
では、近い未来を少しだけ。
再び魔族が攻めてくる。
性懲りも無く、敗北を知るために。
でも、今回ばかりは相手も本気。
魔王はその名を宣言し、闇の領地を血に染める。
キミたちは戦い、勝利を手にするだろう。
しかし、大きな勝利と引き換えに、弱い者たちは血を流す。
そんな結末を物語は書き連ね。
闇王イヴァンはそれをなぞり。
風の騎士を笑うように、彼は無慈悲に命を駒にするだろう。
風神の力はこれをも変える?
それはまだわからない。
物語は、変わりつつある。
……こんなところかな。
じゃあ、物語で待ってるよ。