古びた手記。

ベルガ先生のデータとか。
ちょっとミョンパの過去とか入れつつ。



机の中にしまわれたそれ。
内容は１０年ほど前の話を綴ったもの……。

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わたくしは風への援軍に従軍していましたわ。
魔族の軍勢と対峙するのは初めてで、正直不安だらけ。
でも、風の現状を見て……あの子を見て、放っておくなんて出来ませんでしたの。
原因は……私にもありましたから。

そんな迷った心で、初陣なんて、私も大馬鹿者でしたわね。
魔族は資料で読んでいたよりも、ずっと恐ろしいものだったのですもの。
指揮官は討たれ、護衛も一人、また一人と減っていって。
日はどんどん沈んでいって。気付けば、一人。

ああ、ここで死ぬんだ。なんて、ガラにも無く思ったもんですわ。
子供が悪い事をしたら罰を受けるみたいに。泣きながらそんな風に感じていましたわ。

そんな時に、あの男は現れたんですの。
たった一人で、馬を駆り、光みたいに。
待っていろ。なんて。
事も無げに言い切って、迫る魔族に向かっていきましたわ。

そして、帰ってきたんですの。
泣いてた私の肩を抱き寄せて。
女の扱い……では無いでしょうね、子供扱い。
何故か、無性に腹が立ったもんですわ。
だってどんな人間にもこんな態度なのでしょう？

誰も彼もを惹き込んで、世界は己の物だと言わんばかり。
だからこの男に気を許してはいけないんですの。だって私は水の国を導かなきゃならないんですもの。

心臓を掴まれたような、そんな苦しさに気付いたのは一通り泣き続けた後でしたわね。
許しは、しませんことよ。

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以下にメモが書かれている。

私が水神様から教えて頂いた限りでのデータを記しておきますの。
きっと、いつか誰かの役に立つと思いますもの。

真・ベルガ　Lv17
《軍神の覇気》○
２０ｍ内の任意のキャラクターの行動判定、威力の出目を全て「３」に固定する。変転は可能。
レベル４以下にまで有効。無効化不可。

《神格：弱》○
このキャラクターは受けるダメージ、効果を任意で無効にする。
神族を除いたレベル８以下かつ、神格を持たないキャラクターに対してのみ有効。

《二回行動》、他。

マイナーゴッドの域まで足を踏み入れかけてやがりますわ。
純粋な武力と人望と経験では勝ち目が無さそうですの。
書いてて眩暈が……。

いえいえいえ。フィオレの事もありますし、何とか、何とか手を打って見せますの！

メモはここで終了している。